《停念堂閑記》51

「停念堂寄席」42

 

《 お笑い“天国”》

 

[形成編 その1]

 

いらっしゃいませ ようこそのお運びで

本当に よくいらっしゃいましたねー

他に 行く所はなかったのですか ?

北極とか

南極とか

これは ないですよね

寒いですからね 

手近かなところで

パチンコ屋さんへは ?

余計な穿鑿は よせって

ごもっとも ごもっとも

毎度 バカバカしいお笑いで恐縮でございます

世の中 

ややっこしくって 

せせっこましくって 

鬱陶しいことが多すぎますなー

とかく ストレスが溜まりっぱなしですな

ストレスは 万病のもととか

とっとと 解消しておかないと 

とんでもないことになりますよ

ぼーっと 放っておいたら 

命を落とし兼ねませんよ ほんと

後で 落としたことに気づいて 

拾いに戻っても

もう 手遅れですからね

誰かに 拾われた後だったりして

拾った人が 古道具屋に売っちゃったりして

この間 浅草の古道具屋さんに 出てたんだって

とりあえず 買い戻して来たそうですよ

あのー 冗談ですからね これは

気が重い時には バカバカしいお笑いが一番

 

特に 特にですよ

ここは 良く聞いておいて下さいよ

特に

私の話は 特効薬ですよ 

とにかく よく効きます 絶品

誰も褒めてくれないので 自分で褒めておかなくてはね

‘お客さま’ 自分のことは 自分でやらなくてはダメですよ

他人を当てにしていては ダメです

私の話を聞いたとたん たちまち どんな難題でも

‘何とか’なりますからね

‘何とか’は 人それぞれによりますよ

分かってますよね

自分のことは 自分で処理して下さい

今 言ったばかりでしょ

自分のことは 自分でやらなくてはダメ

他人を当てにしていては ダメです

国は 何をしている

行政は 何をしている

なんて言ってみたところで 全然 当てになりませんよ

馬耳東風

馬の耳に念仏

国 行政は 聞く耳を持たないからね

ところで なんで 馬なのでしょうね

馬は 言うことを良くききますよ

馬でなくても良いだろうに

キリンだって

キリンは ダメか

耳元で言って聞かせるの 高くて 厄介だな 

ついでに 噺家は 何をしてるって

噺家は 落語をやってますよ

毎度 バカバカしいのを 

それを 毎日ですよ 1年中

他に なんにも出来ないのですから

中には ラーメン屋さんやってるお方もいますが

因果な 商売ですなー 

ラーメン屋さんのことではないですよ 噺家の方

普通 バカなことばっかり言っていると 叱られますよ

それが 落語の場合は 

バカバカしいこと言わないと バカにされるのですよ

バカなことを 上手に言うと

なんと 文化勲章を貰えることがあるのですよ

文化勲章を貰うと 文化功労者となりましてね

生涯年金が貰えるのですよ

知ってました

国民の税金からですよ

バカ言って 税金貰えるんですよ

世の中 どうなってるんですかね ほんと

あのですね

バカなこと言うと 文化功労者になれるのではありませんからね

話しの仕方が 人並みはずれて 上手で その芸術性を評価されて

日本文化に貢献した と言うことで貰えるのですからね

間違えないで下さいよ そこんところを

因みにですね 文化勲章の受賞者の殆どは 裕福な生活をしている方々ですわ 生活に困っていると言う事情の方はあまりね・・・

そして 殆どが人目につくパホーマンスをしておられる方々のようです 

底辺でこつこつと 地味な仕事をしている方々は 

どうも見出されないようで いささかね・・・

生涯年金支給については 憲法解釈上 問題ありとする意見を持つ方も 

多くいらっしゃる様です

国家財政に関する赤字・借金が膨大になっている現状ですからね

‘天国’では どのように取りはからえば 良いのでしょうか

   

と言うわけで 何だか分からなくなってきましたが

自分のことは 自分でやらなくてはダメですよ 

シャキッと 自立しなければいけません

サー 今日も しまっていきましょう

今日の‘お客さま’は ラッキーですよ

ジャジャーン 大当り

今日は 特別 とっておきの話を致しますから

ここだけの話ですけどね 

実は 昨日も このように 言いました

ええ このところ ずーっと言っています

明日も言いますからね

覚悟しておいて下さいよ

 

‘お客さま’

私の話を聞いたら 幸せになりますよ

今日 ここにいらしていない お隣さんより

ズーッと 幸せになりますから

間違い御座いません

たちどころに 昇天しますから

エッ いきなり昇天かって

その通りなんですよ 幸せの極みですから 

もう‘天国’へ直行ですよ

終点 ‘天国’ ‘天国’ なんちゃってね

足下にお気をつけ下さい なんて

シャニムニ降ろされてしまいますからね

‘天国’へ行ってしまえば もう こっちのものです

ストレス 一切なし

嫌みな上司もいない

借金取りもいない

足腰の痛みもない

痔も痛くない

小うるさいカカーは留守 〈これは男性版〉

邪魔臭いジジーは留守 〈これは女性版〉

よし 昼飯は 特上寿司をとるかな 

ウナギにするかな なんてね

良いことずくめ

良いことばっかりで もう タマリマシェーン てなもんですよ

ところで ‘天国’って 一体どんなんなのでしょうかね

‘お客さま’ 

‘天国’についての知識を どれだけお持ちですか

これがね ちゃんと分かっているお方は すごく少ないのですよ

たとえば ‘天国’の自然はどうなっている と思いますか

空模様について

風が吹くのでしょうかね 

雨が降るのでしょうかね 霰も 雪も

台風は 地震は 津波は どうなっているのでしょうかね

エッ ‘天国’に 地震津波は似合わないって

そう願いたいものですね

夏・冬はあるのですかね

エッ ‘天国’は 常夏だって

常夏は 良いですね

しかしですよ

それでは 北極から来た 白熊はどうなります 

南極ペンギンだって

えらい事ですよ 

たちまち 熱中症になってしまいますよ

‘天国’まで 救急車が駆けつけるは なかなか大変ですよ

‘天国’の衣食住の事情を知っていますか

どんな服装をして

何を食べて

どこで寝起きするのですか

なに

水着で

フランス料理のフルコースを食べて

椰子の木陰で ハンモックで寝ている 

そりゃー 結構でございますなー

しかし ですよ

水着で スープをおヘソに こぼしちゃったら

それは それは ダイレクトに 熱いですよ

ヘー ソー なんて言っている場合ではないですよ

だいたい 毎日 フランス料理のフルコースやってたら どうなります

もう メタボ メタボ メタボの三階建てになりますよ

おヘソだつて 大きめのホタテの貝柱くらいにはなりますよ

そこに 熱々のスープをこぼしてご覧なさい

それは モー 熱くて 熱くて

半熟の程よい食べごろになりますから

チョト 方向が逸れたか 

なにせグルメなもので

そんな 状況で ハンモックの紐が絶えきれなくなって

ブツッン ドスーン と落っこちて

腰をしたたか打って 喘いでいるところに

アフリカサバンナからやって来た

ライオンが現れたらどうします ‘天国ライオン’

ライオンだって ‘天国’好きですからね

来てるんですよ

たちまち 餌食になってしまいますよ

こんな最も基本的なことを知っている人は 殆どいないのですよ

そのくせ 俺は 私は ‘天国’へ行くのだ

なんて 能天気なこと 思っている方が多いようですよ

‘天国’の実態を何も知らないで

行って びっくり こんなはずでは

なんて 言ったって もうダメですからね

まず ‘天国’の実態を見極めて

その上で 行くか 止めるか 決めた方が良いですよ

この《お笑い‘天国’》と言う噺はですね

実は 3部作なのですよ

初めに [概説編]と言うのをおいてですね

ここでは ‘天国’について 世間でどのように思われているのか 

と言う点を 大雑把にまとめています

次に [分析編]と言うのをおきましてね

ここでは [概説編]でまとめた事柄を 

幾分具体的に検討しています

問題点などを 幾分指摘しています

そして 最後に [形成編]と言うのをおいてですね

未だ具体化が遅れていると思われる‘天国’の主な事柄を

面白く具体的に形成する部分となっております

なお 一言申し上げておきますが

この噺は あくまでも お笑いですからね

あまり 本気にならないで下さいよ

ご自分に 不利だなー 

こらー 不謹慎にもほどがあるぞー

無礼者め 

なんて 思っても 気になさらないで下さいよ 

どうぞ 寛容なお気持ちで かーるく 笑い飛ばして下さいませ

人間は ご都合主義の固まりですからね

とにかく 発想のスタートが

万事 自分の都合によってますからね

全員に 納得してもらえる 環境づくりは とても 困難なのですよ

笑って 誤摩化しましょうね 

くれぐれも お願いしますよ

では参りますよ 

心の準備は 宜しいですか 

今日の噺は [形成編 その1]でございます

はじめの[概説編]で

世間で思われている‘天国’の要点をまとめて見ました

結局

‘天国’は 死んでから行くところらしい

‘天国’は 空の遠く彼方にあるらしい

‘天国’では‘神様’が 万事うまく取りはからってくれるらしい

‘天国’には 割合簡単に行けるらしい 

と思い込んでいる人が多い

と言うようなことでした

次ぎの[分析編]では

例えば

〈‘天国’は 死んでから行くところ〉

〈‘天国’は 空の遠く彼方にあるらしい〉

〈‘天国’での生活が どのようなのか〉

など 最も基礎的な点について 

どのような問題点があるのか

検討を加えてみました

ところが ところがですよ

これまで ‘天国’について 

あれこれ言われて来た経緯はありますが

みんな大雑把なもので 

どうも体系化された事は 

殆ど 分かっていないことが 分かりました

と言うことで  

‘天国’についての 

確実性の高い 明確な情報が必要とされている現状にある 

と言う実感を得るに至ったわけであります

従いまして

今日の[形成編  その1]では

‘天国’について

体系的な基本的な骨格を形成したいもの

と考えております

あのーですね

目下 バカバカしい 笑い話の最中ですからね

この点をくれぐれも お忘れなさらないで下さいよ

頼みますよ

さて ‘天国’の体系化に当りまして

時間的制約もございまして

こんな話を長々と致しましては

‘お客さま’ みんな帰ってしまう恐れがございますので

あらゆる事柄を 全て取り上げると言うことは 出来かねます

 

そこで ‘天国’の体系の構成を おおまかに

“天” “地” “人”の3部に分けて 

見ていくことに致します

さて “天” では 

主に ‘天国’は何処にあるのかについて 具体化を試みます

次の “地” では 

主に ‘天国’の自然環境について 具体化を試みます

最後の “人” では 

主に ‘天国人’の社会環境について 具体化を試みます

 

それでは

 “天”部 

《‘天国’は何処にあるのか》

と言う点から見ていきます

まず 最も基本的な事として

 

〈‘天国’は何処かにある〉

 

と言うことを 確認しておかなくてはなりません

これは 理屈抜きです

‘天国’は 何処かにあるのです

これを 是認しないと 話は進みません

是認した時に はじめて‘天国’が存在することになるのです

なお 途中で 本当に‘天国’なんてあるのか 

なんて言うことになりますと

話は ややこしくなります

あることを 確信することが 何より 大切であります

念のために

さて ‘天国’の存在を確認しまして

問題は どこにあるのか と言う事であります

それは[概説編][分析編]で見て来たとおり

‘天国’は

手っ取り早く言えば 上方向

空の遠く彼方にあるらしい

と言うことまでは 確認されています

それで [形成編]で 要求されることは 

何処に 

どのように 

存在するのかを 具体的にする事であります

注意を要する点は 

まず ロケットで来る事が出来ないところでなければならない 

と言う条件を満たさなくてはなりません

何故ならば ‘天国’は死んでから行く所 

別の表現をすれば 死ななくては行けない所

と言う前提にあるからです

したがって 生きている人が 

ロケットで到達できる所ではダメなのです

金持ちは 金にものを言わせて 

やって来てしまいますからね

3泊4日の‘天国’ツアーで来られては たまりませんよ

次には 現在は もの凄く性能の良い 

望遠鏡が開発されていて

うっかりすると 

‘天国’が地球から覗かれる恐れがあると言うことです

これは ロケットで金持ちがやって来てしまう

と言う事態より 遥かに 深刻な問題です

だから 超高性能望遠鏡で覗かれない 

思いっきり 遠くにあるとしなければならないと言う条件があります

お酒を飲んで お姉ちゃんと いちゃいちゃしていたら 

バレてしまいますからね 〈これは男性版〉

イケメンのお兄ちゃんと いちゃいちゃしていたら 

バレてしまいますからね 〈これは女性版〉 

この事態は 何がなんでも 避けなければなりませんよ

したがって ‘天国’は 超高性能望遠鏡でも見えない

遠い遠い それはそれは 数値では表す事が甚だ難しい 

遠いところにあるのです

具体的に 分からない どうにも出来ない時は

このように ぼやかして 誤摩化す訳であります

したがって 四の五の言わず

‘天国’は ロケットの届かない 

超高性能望遠鏡でも見る事が出来ない

‘空の遠く彼方’にあるのです 

余計な疑問は禁物です  

次に ‘天国’の形状は ? 

と言う 問題があります

‘天国’へ行こうと言う時 

‘天国’の形状が分かっていないと不安です

ところで ‘天国’の形状についてですが

ここからが 新境地へ突入することになります

未知の世界であります

そう簡単に ‘天国’はできませんよ

もう それは 

試行錯誤 試行錯誤 試行錯誤 の連続となります

では その過程を 覗いてみる事にしましょう

‘天国’の形状ねー

基本は やっぱり ‘天国’ “らしい”形状でなくてはね

 

そうだ ハート形だ きっとそうだな

決定 ‘天国’は ラブラブのハート形 これっきゃないなー

待てよ 

とすると 入口の位置は どこになります

一番下の尖ったところだとすると ちょっと 狭いなー 

これは 入りづらいですよ 行列が出来てしまうなー

混雑するな

日本人は 行儀よく 順番を待つ習慣になれてるな

たとえ ラーメン一杯食べるのに 

1時間以上も 行儀よく並んで 待つ事ができるな

一体 これは何なんだ 

と思われるところも無いではないな

この 忙しい世の中で ラーメン一杯にね

限られた人生の大事な時間をねー ほんと

そんなに 時間を持て余しているのだったら

寄席にね 寄席に来ればいいのに

余計なお世話だって

 そりゃーそうですが・・・

とにかく 並んでの順番待ちの得意なのは 

世界に類を見ない民族だな

しかし 世界へ目を転ずると 我先に と言う地域も多いな

なにせ ‘天国’行きの順番待ちだからな 混雑するぞ

これでは トラブルが起きるな

へますると 国際紛争に発展するかもね 

厄介なことになりますよ

一番下の尖ったところだと 問題があるな

といって ハート形を傾けると ちょっと不安定になるな

今にも 転がりそうになるぞ

転がって倒れたりすると 

ラブラブだなんて 言ってらんなくなるかも知れないな

何たって ‘天国’だからな

入口は 広くなくてはならないな

地球上のどこからでも 

パッと入口に辿り着ける方が 何かと便利だな

とすると 地球全体を取り巻いている形の方が 

何かに着けて潰しが効くな

そうだ 地球を餡子とする 饅頭形だな

結局 ‘天国’は饅頭の表皮と言うことだな

さっき ‘天国’は何処にあるかを問題にした時 

‘天国’は 「手っ取り早く言えば 上方向」

と言うことにしたけれども

日本での上方向と 

地球の反対側のブラジルの上方向とは

正反対の方向になるな 

とすると 

‘天国’の方向はどうなるのだ 

と 一瞬ビビッタったが これだと大丈夫だな

それにしても

デケー 饅頭だな チョットやソットでは 食べきれないな

それは 皆んなで ボチボチ時間を掛ければ 何とかなるか

しかし 餡子の部分は 食っちゃーならないぞ 

地球が無くなっちゃうからな

皮の部分だって 食い尽くしてはだめだな

‘天国’無くなっちゃうからな

下らないこと言ってんじゃーねーって ごもっとも

とりあえず

‘天国’の形状は

地球を餡子とする饅頭の表皮〉 と言うことにしょう

ところで 前に

‘天国’は ロケットの届かない 

超高性能望遠鏡でも見る事が出来ない

‘空の遠く彼方’にあるのです 

余計な疑問は禁物です 

としたが

これとの関係が難しいな

空のずーっと彼方 となると

太陽との距離はどうなる

近すぎると 熱いぞ 火傷するかもな

饅頭の皮 こげちゃったら えらいことになるぞ

食べられなくなっちゃうよ

焦げ焦げの‘天国’になっちゃうなー

‘天国’なんて 言ってらんないよ

その上 ‘天国’も自転しているとなると

昼と夜の寒暖差が すごいことになりそうだな

昼間は大火事 夜は冷凍

昼間の大火事が そのまま凍ってしまうぞ

 一体どんな状態になるのだ

これは困ったことになるなー

まてよ 

‘天国’は 超高性能望遠鏡でも見えない距離だとすると

太陽を通り越さなければならないな

太陽よりもっと遠くになるな

と言う事は 太陽系を全部取り込む饅頭になるな 

月も 火星も 水星も・・・・・

これらを全部取り込んだ饅頭となると

食べきれないな なんて バカな事言ってらんないな

さしずめ 太陽付近は マグマ溜り と言うものだな

噴火の恐れがあるな 

これは まずいよ

と言うことは

‘天国’饅頭形の表皮説は ヤバイかな

となると

超高性能望遠鏡でも見えない距離のところに

‘天国星’を新たに作ることを 

考えなくてはならないことになるな

既に 存在する星を 利用して

‘天国星’とする手もあるか

しかし それはまずいな

持ち主不明とは言え

他所の星を乗っ取って ‘天国’でござい

と言うのは ‘天国’の性格上 まずいよ

‘天国’のイメージ ダウンになるな

と言って 買い取るにしても 借用するにしても

交渉相手が ハツきりしないし

となると

全く新たに ‘天国星’を作らなくてはならないな

しかし そうなると 資材の調達が大変だな

土は しょうがないから 土星から分けて貰う事にするか

とすれば

水は 水星

木は 木星

金属は 金星

火は 火星から

月は 月から

調達すれば 何とかなるか

こらこら 「月は月から調達する」と言うのは なんだ

どさくさに紛れて ワケの分からないこと言うなって

ごもっとも ごもっとも

ちょと 惰性でね いっちゃったのですよ 

そうだ

‘天国’饅頭形の表皮説は 止めて

新たに‘天国星’を 作ることにしょう

その方が 今後の展開上 何かと 融通がききそうだ

アンタも ご都合主義だな だって

ごもっとも

とかく 浮世は このようなものですって

気楽に 行きましょう

噺家はー 気楽な家業と 来たもんだ

スイスイ スーダララッタ

スダララッタ スーイ スーイ と

調子に乗るなって

相済みません

と言う次第で 決定

ジャジャーン

‘天国星’誕生! 

これで 難題一つ クリアーだな

ぐたぐたやっているうちに 何とかなるものだなー

そうだ 形状を決めておかなくてはな

まー 相場としては 地球と同じような 球形と言うことだな

この方が まるく治まると言うものだ

平べったくすると その果てでは 

海水が滝の様に落っこちてるのか などと 

下らない心配するヤツがいるからな

地球と 同形にしておいた方が 分からない事を

言い逃れする時 何かと 都合がいかもな

‘天国星’の形状は 球形に決定

次に 大きさだけれど

これは 大きめの方が良いな

どうせ 宅地がどうの 公園がどうの 

と言った 問題が出て来るからな

その時は 土地が無いなんて 

シミッタレタことでは

‘天国’の名が廃るからな

どれくらいの 規模が適切かなー

現時点では 見当をつけにくいな

何とかならないものかねー

まいったなー

どうします‘お客さま’

そういう事は いきなり 振るなって

弱りましたなー

そうだ 閃いた

これだ

‘天国星’は 成長する星で 

必要に応じて 伸び縮みするのだ

これだな こうしておけば 潰しがきくな

まー 窮すれば 通ずと言うことだな

ちょっと 具体性に欠けて

ずるっこさが感じられるが まあ この方が後々いいなー

決定

‘天国星’の規模は 必要に応じて 伸縮自在である

次に 地球からの距離だな

前に言った通り

超高性能望遠鏡でも見る事が不可能な距離が必要だ

とすると 太陽系ではダメと言う事だな

太陽系を通り越した別の銀河系を 

覗ける望遠鏡があるそうだからな

この間 テレビでやっていたけれど

ハワイに もの凄い高性能の天台望遠鏡の建設が

進められているのだって

そのバカでかいレンズを 

日本の企業が製作しているんだって

頑張ってるねー

それが完成すると 太陽系とは別の銀河系の星に 

生命体があるかどうか 観測するらしいですよ

えらいことですなー

ヒョツとして

とんでもない 遠くの銀河系の星に いわゆる宇宙人がいて

その連中も どでかい望遠鏡を作って

丁度 地球を発見して 覗いていて

そして ハワイ望遠鏡からも覗いていて

視線が鉢合わせしたら 双方とも 

目の玉ひん剥いて びっくりすることになるな きっと

期待出来るぞー

地球露天風呂も 覆いが必要となるな

ところで ‘天国星’と地球との距離だが

これは 数値で言っても 実感できるものではないから

これも ずるっこさが感じられるが 

超高性能望遠鏡でも とても見る事が出来ない距離 

と言うことにしておこう

‘お客さま’

不本意でも ご了解下さいよ

あのね 時々このように

‘お客さま’ と呼びかけるのはですね

ちゃんと 理由があるのですよ

時々 ‘お客さま’ とやらないと 

御休みになられてしまう方がおられるのですよ

だから 頃合いを見計らって 

‘お客さま’ とやるのですよ

そしたら ‘お客さま’は コーヒーでもでるのか 

と思って うつらうつら状態から 目を覚ますでしょ

飛行機で 眠ってしまったら

サービスの 飲物 貰いそこねたりするでしょ

起こしてくれませんからね

以前は お目覚めになられましたら お知らせ下さい

といったカードが置かれていましたが

このごろは 経費節約のためでしょうね

そのような気遣いは なくなりましたね

眠っているところは通過

飛行機では 飲物を頂いてから 眠ったほうが良いですよ

但し ‘お客さま’とやるのは 途中迄ですからね

気をつけて下さいよ

今日は 特別サービスで お教えしますからね

終に近づくと ‘お客さま’とはやりませんから

何故か と言いますと 

眠っていて 終のオチの部分を聞き漏らした‘お客さま’は

家に帰ってからも オチが 気にかかって 気にかかって 

夜も眠れ無くなるのですよ

それが続くと 体調を崩して 

寝込んでしまうことになるのですよ

寝込んでも 眠れないのですよ 気になって

そしたら また 寄席に来て 

オチの部分を聞かなくては 納まらなくなるのですよ

知ってます こう言う状態をオチ着かないと言うのですよ

オチ着かないと言う言葉は 寄席でできたのですよ

あまり真面目にならないで下さいよ

ここは 寄席ですからね 

オチ着かなくなると どうなるかと言いますとね

そしたら いやいやながらも 

また 寄席に来てくれることになるのですよ

それが こっちの狙いですからね

今日は この情報を得ただけでも 

いらした甲斐があったでしょ

今日は 特別良い話をしてますからね

と言う わけで

‘天’の部分では

‘天国’が 何処かにある事を確認し

‘天国’は 超高性能望遠鏡でも覗く事が出来ない

“空の遠く彼方の‘天国星’ ”にあること

‘天国星’の形状は 球形で 

必要に応じて 伸縮自在であること

以上の最も重要な骨格が 確認されました

あとの 細々しいことは ‘お客さま’の好みで

自由に お楽しみ下さいませ

とまあ 一段落なのですが

これが 世間で 認知されるまで どのくらいかかりますかねー

余談ですが

かつて ガリレオ地動説が認められていなかった頃

地球球体説が認められていなかった頃

キリスト教会では 平盤状の地球を想定していて

海をずーっと進むと 海水が滝の様に落ちているのだと 教えていた

ということを聞いたことがあります

落っこちた海水は 何処へ行っちゃうのだとか

海水量は 何故減少しないのだ

といった 素朴な疑問には どのように対処したのでしょうね

大体 教会で教えることは 絶対的なもので

疑問を持たせなかったのでしょうかね

カトリック教会が 地動説を漸く公認したのは

なんと1992年のことですからね

20年程前のことです

因に これは本当の事です 蛇足ながら

それまで 教会は地動説を認めなかったのですから

2000年ほども続けて来た‘神’の教え 権威を 

翻すことは 実に 大変な事なのでしようね

では 次ぎに

‘地’ の部分に移ります

ここでは ‘天国星’を形成する自然環境の骨格について

試行錯誤いたします

要は ‘天国星’の自然は どのようか と言うことです

自然を形成する主要事項は

風景

季節

気象

などです

まず 風景からですな

基本は やはり 陸 海 空 と言うことですかね

とにかく ‘天国星’は伸縮自在なんだから

面積は気にしなくていいのです

思いっきり 雄大なのが 良いかな

家の庭を ちまちまいじっているのとは わけが違うぞー 

やっぱり シャバに似た光景の方が 良いかなー

シャバとは全く違う光景だと どうだろうなー

そんな光景を 新たに考えるとなると 疲れるなー

だいたい 全く見たことのない光景だと 

不安がさきに来るなー

目に入るもの 入るもの 

全然 見た経験がないものばかりとだと

これは 落ち着かないなー きっと

とすると 取り敢えずは シャバと似た光景の方が無難だな

その方が 落ち着くにちがいない

そうすると だなー

まずは 富士山は欠かせないなー

何たって 世界文化遺産だからなー

一つでは 物足りないから 

馬鹿でかいのを ばんばんつくってやろう

どっちの方向を見ても 

とにかく 富士山が見えるようにな

富士山だらけにしよう

日本人は 富士山が大好きだからなー

エベレストより もっともっと ずーと でかいのが良いな

その他の文化遺産も どんどん作った方が良いなー

あんまり作りすぎると

イサンカタになって 胸やけするかもなー

山の次は 川か

富士山との関係で 富士川は欠かせないな

北海道では石狩川

東北では最上川

関東では利根川

北陸では信濃川

中部では木曽川

近畿では淀川

まてよ 一つ一つ考えるのでは 時間がかかるなー

良い事 思いついた

めんどくせーから 

地球に関わる自然は 全部持っていくことにするか

その方が 手間かからないな

何てったって 規模がでかいのだから 

土地の心配がないんだからな

しかしな 中国の汚染大気まで 

持っていくことはないな

あれは いらないな おいて行こう

てな訳で 自然は一部を除いて 

地球上のものは原則として ‘天国’には あると言う事にしよう

それから なんたって 温泉は欠かせないな

温泉がない‘天国’はありえない

温泉に浸かっている時は

極楽 極楽って言うのが一般的だが

まあー 細かいことはいいやね

極楽も ‘天国’も似たようなものだから

温泉に浸かって

‘天国’ ‘天国’と言ったって 全然問題ないな 

完全 ノープログレム つーもんだな

しかし 温泉も規模がでかいな きっと

太平洋より広い露天風呂になるな

どでかい 温泉饅頭もつくらないとな

東京ドームくらいのが 標準かな もっとでかいか

とすると 問題もあるな

何処からお湯を引くのだ

沸かし湯だったら 燃料が偉いことになるな

へますると 溺れるな

津波がきたら どうなる 

温泉津波が 養鶏場のケージを襲ったら

ベラボーに 沢山の温泉卵が出来てしまうな

食いきれねーな 保存しておかなくてはな

そうだ 巨大な冷蔵庫があった方が良いな

中に高速を通すか 空港も作った方がいいな

こら 調子に乗るな! いい加減にしろって 

ご勘弁を

ところで この世にはない ‘天国’特有の風景となると 

どんなんかなー

全くこの世にはない 見たこともない風景となると 

見当がつかないな

見当がつかないことに 

こだわっていても しょうがないな

取り敢えずは

富士山温泉があれば

‘天国’ちゅーもんだよ

ちょと 銭湯ぽくって 

しょぼさを感じさせるところもあるけれど

まーまーだな

と言うわけで

‘天国’では 

自然は 地球を取り巻く全てを 取り揃える事にしました

但し 中国大気汚染 PM2.5は 持っていきません

中国に残存することになります

および 地震 火山の噴火 津波 台風 豪雨 強風 大雪 猛暑 猛寒等

自然の大災害の大幅軽減を致します

なぜなら これらは ‘天国’の“らしさ”を 損ねるからであります

一方 

富士山温泉は 著しく 強化致します

これは 譲れませんよ

なお 地球では見られない

まさに ‘天国’らしい自然を設定したいのですが

これが なかなか思い浮かびません

突飛なものを 考えると

途端に ‘天国’らしさ を損なう事になってしまうのです

しかし 新しいことを創り出そうとすると 骨が折れますな

草臥れますよ まったく

まー 泡食うことはないか

骨格だけ 決まれば 後の 枝葉は追々考えれば良いか

相変わらずの ご都合主義だって

そんなこと おっしゃいますなら

‘お客さま’ ちょっと やってみて下さいよ

貴方の‘天国’を見せて下さいよ

これでね

いい加減なようですが

これはこれで 結構 大変なのですよ

こういうのを ボヤキと言います

ボヤキは ことがうまく運ばない時に出るもののようです

ボヤキはね 聞いてくれる方がいる場合には

幾分の ストレス解消になるのですよ

時々 ガス抜きをしておかなくてはね もちませんから

誰に頼まれてやっている訳ではございませんがね

‘お客さま’も 大分お疲れになられたことで ございましょう

この辺で ひとまず 休憩と致しましょう

と言うことで

早速 温泉へ 行くことにしましょう

どこにしますかね

ちょっと足を伸ばして 信州にしますか

信州には 温泉が沢山ありますよ

中には 猿が入っているところがありますよ

頭に 雪をのっけたりして

エッ ぴちぴちの お姉ちゃん猿も入ってるって

しかし 猿との混浴はねー

混浴で 思い出しましたよ

‘お客さま’ 「混浴」の看板には 気をつけて下さいよ

「混浴」と言う看板につられて行ってみたら 

男ばっかりで すごく混雑していた

看板につられてやって来た

スケベな男だけで大混雑している浴場だった

それで 「混浴」だったって

と言う話聞いたことありますよ

気をつけましょう

では 参りましょうか

どうも お疲れさまでございました

《お笑い‘天国’ 形成編 その1》を終わらせて頂きます

お後が宜しいようで