《停念堂閑記》83

「日比憐休独偏記」18

 

「投了」

 

本日も、「停念堂閑記」に、ようこそお出で下さいました。

厚く御礼申し上げます。

本当に、よくいらっしゃいました。大歓迎で御座いますよ。

おヒマなお方、心より、大歓迎で御座いますから。

今日も、ヒマ潰しに、どうぞお付合い下さいませ。

話は、毎度の代わり映えのしない、アホくさい、バカバカしい、クダラないの三拍子を兼ね備えた、行き当たりバッタリのアホくさい、バカバカしい、クダラない話で御座います。

なぜアホくさい、バカバカしい、クダラない話なのか、と問われますと、決まってるでは御座いませんか。そんなこと。

立派な、意義深い話は、甚だ残念では御座いますが、難しくて出来ないからですよ。

私だってですね、たまには、気の利いた話をしたいものと、常日頃思わなくはないのですよ。少しは思うことも、たまには、ちょっとだけないこともないのですよ。強いていえば、あるにはあるような気もするのですよ。

しかしですね、これが中々上手く行かないのですよ。思うだけではねー。

言うまでもなく、この手のことは、能力に関ることなのですよ。

持って生まれた能力は、残念ながら、俄に、どうこうできる代物では御座いませんよ。

他の方については、知りませんよ。他の方のことを、どうのこうの言うつもりは、毛頭御座いませんよ。

これは、私の場合ですが、どうも善し悪しがあるらしいのですよ。

これが、私の場合、悔しいことに、後者らしいのですよ。

わたしゃー、戦中の、物がとにかく不足していた時期に生まれたものですから、どうも部品が今ひとつ良くないのですわ。物は、品質よりも、有る無しが問題の時代でしたからね。

本当に、戦争とは、怖いものですなー。

私だって、平成の物資の豊富な時代になってから生まれていれば、少しはマシではなかったかなーと、つくづく惜しまれるのですよ。どうだか、分かりませんけれどね。

そのような事情でして、脳の方の性能がいまひとつなのですわ。いや、二つ、三つ。正直に言うと、もっと、ですなー。オーノー、てなもんですよ。

こればかりは、持って生まれたものですから、性能を上げたくて、薬やお医者さんに頼ったところで、血圧を上げ下げするようには、参りませんよ。

嘆いても仕方御座いませんので、精々、得手・不得手と言うあたりで、何とかならないものかと、もがいたりするのですよ。

 

ところで、藤井聡太さん。すごい人がお出ましになられましたなー。中学生で、プロの棋士6段、29連勝(30勝手前と言うのが良いね。今後の励みとなる数値だね)。今年中に7段は堅いのでしょうね。

と言うことは、来年は、8段、すぐに9段ですなー。

以前は、タイトル戦に十段戦と言うのがあって、この勝者は十段の称号が与えられたのですなー。今は、無くなっちゃいましたけれどねー。

近年、将棋を取り巻く事情が大きく変わりましたからね。日本将棋連盟も、制度の見直しを図っては如何なものでしょうな。プロアマ戦もあるようですが。また、アマチュアに一定の条件を設定して、それにトライしてクリアーしたら、段位を認定してくれるサービスをしていますけどね。

もー、とにかく将棋好きをぜーんぶヒックルメて、段位の認定をしたら面白いと思いますなー。

そーだ。なにも日本将棋連盟さんでなくても良いのだ。

今は、AI時代で、コンピュータ将棋ソフトが強くなっていますからね。プロ棋士に勝ちますからね。

特定のコンピュータ・ソフトと対戦して、ある条件を設定して、それを満たしたら、段級を認定されるとしたら面白いですなー。

インターネットでトライできるようにしてさ。誰でも、簡単にトライできるようにしてさ。日本将棋連盟では、最上位が9段ですが、最上位など規定せず、20段でも、30段・・・段でも、どんどん能力に任せて、昇段できるシステムでさ。

ついでに、認定料を稼せいだりして。

更についでに、讃岐金比羅樣を凌ぐ階段を持つ将棋神社設立してさ。新規につくるのは、大変だから、金比羅様の裏手の方にでも、そっと、お宮を建てさせてもらってさ。お守りを販売したりしてさ。きっと、もーかりまっせ。企業として、やっていけますよ。どなたか、やってみてはどーでしょうかねー。

そーだ。パテント取得しておこう。

もう既にあるのかも知れませんなー。大体、私が思いつくようなことは、みーんな、既に考え出されていますからね。今頃、なに言ってんの、なんて言われるのが落ちですかねー。

かく言う小生も、将棋を始めた頃が御座いましたよ。小生の義父が、将棋好きだったようで、ある時、小生に将棋覚えろよ、と言うのですよ。小生は、それまでは、将棋には、興味を持ちませんで、指したことは無かったのですが、それでは、ちょっと覚えてみるか、と言うことで、30過ぎの手習いですわ。とりあえず、駒の動かし方を習い、日曜日になど、ヒマ潰しするようになったのですよ。

しかし、最初は負けてばかりでね。悔しいので、将棋の本を買って勉強しましたね。将棋の本は、イッパイ御座いましたなー。その中で、内藤國雄九段の空中戦法と言うのに興味を持ちましてね。これを覚えましたね。飛車角桂香が飛び交う、実に面白い戦法でしたなー。将棋は勝てば良いのでしょうが、やはり、どのようにして勝つか、と言うロマンがあるのですよ。

日曜日の午前中に、国営放送のテレビで将棋番組がありましてね。NHK杯争奪戦が放映されていましたね。いまも続いていますが。

これに、内藤九段も出場されておりまして、空中戦法が、型にはまって、勝つ時は、物の見事に勝つのですよ。やり損なって、まける時も、見事に負けるのですよ。今、テレビで人気者になっておられる加藤一二三九段のように、歩を一個ずつ突いて、銀を上げて、ジクジクと言う地味な指し方(失礼)よりも、素人には、はるかに面白かったですね。

内藤九段の空中戦法は、構想している陣形が整うと、一気に飛車角が飛んで来ましたからね。素人将棋では、王より飛車を可愛がり、と言われているように、飛車は大事な大事な駒ですよ。

だいたい飛車を取られたら、もう。半ばやる気がなくなりますからね。それを、惜しげも無く、ポーンと切ってきますので、小気味がいいのですよ。

王将は、ケッタイな存在でね。周囲1コマしか、動けないのですよ。あまり強力ではなく、役に立つ存在ではないのですよ。ただただ取られちゃってはならない存在でしてね。

この王将さえ無ければ、将棋は、負けることがないのですがね。このあまり融通の効かない、王将を取られたら負けと言うルールですのでね。これが難儀なんですわ。

ドッチかと言うと、相手が攻めて来ましてね。何とか応対して、王様を守りきって、勝ってもあまり感動がないのですよ。それよりも、攻め込んで、王様を取っちゃう方が、指してて、ぜんぜん楽しいのですよ。

よしんば、攻め損じても、たいして悔しくはないのですよ。それが、ただただ一方的に攻められて、守りきれず、負けちゃった場合など、まったく面白くないのですよ。アーアー、やんなきゃ良かったと思うのですよ。

負けたらやっぱり悔しいですからね。本を読んで、勉強して、新手を覚える訳ですよ。

最初は、専ら義父が相手で、なかなか勝てなかったのですが、勉強してですね。新手を仕込んで対戦するようになりましてね。そしたら、新手一勝 のことわざどおり、勝てるようになったのですよ。しかし、敵さんも研究するとみえて、次ぎには、新手の効き目がなくなるのですよ。そしたら、また、別の新 手をね。そんなことを繰り返すうちに、小生の勝率がだんだん上がって来たのですよ。

そうしたら、義父はあまりやろうと言わなくなってしまいましたね。

それから、姉の旦那さんと、指しましたね。こちらは、めっぽう強かったですなー。アマチュアの有段者でしたな。三段だったかなー。中原誠名人名の免状が飾られてましたな。とにかく、全然勝てませんでしたね。おまけに、ケンケンでも勝てるなー、なんて言われちゃったりしてね。

連戦連敗ですわ。無惨なものでしたわ。

それが、ある時、なんと勝っちゃったのですよ。こんな分け無いなと思いながらも、勝っちゃったのですよ。最後の対局でしたね。

それから間もなく、亡くなられましてね。最後に、花を持たせて、勝たせてくれたのでしょうね。優しい方でしたから。

 

しかし、藤井さんは、めっぽう強いですな。どこを切っても、勝利金太郎飴のようですなー。

しかし、水を差す様で悪いのですが、あんまり強すぎるのもねー。対局がある度に、どーせ、また勝つに決まってるよ、と言うことになるとですね。贅沢を言って申し訳ないのですが、ちょつと、興味が薄れることもあるのですよ。

贔屓の棋士が、この一戦に負けたら、A級から降格するかも、なんて言う事態の一戦は、力の入り樣が違いますからね。

どーせ、勝つに決まっている勝負を見るのは、今ひとつ、気合いが入らないと言うかですなー・・・・・。勝負は、ハラハラ感があった方が面白いのですが。

血圧が安定していない時は、藤井さんの対局が一番ですよ。安心して見てられますから。健康には良いですよ。

とにかく、大いに頑張って、良い棋譜を残して欲しいと、応援しています。

因に、現在一般的に行われている将棋とは異なり、昔は、大将棋と言うのがあったそうですなー。現行のは、盤が縦横9マス、駒は敵味方合わせて40枚で戦うわけですが、大将棋は、盤が縦横15マス、駒数が130枚と、スケールがとても大きい将棋だったようですね。

駒も、金・銀の他に、銅もあるようですよ。オリンピックのようですなー。金をとっても、勝者では御座いませんよ。

酔象なんて言う駒もあって、奈良市興福寺の旧境内から実物の駒が出土されたとか。これが敵陣になり込むと、太子と名が変わるのですよ。

王将を取られれば負けになるのですが、ところが、太子がある場合は、これが王将の役割を持ち、なお、試合は続行されるのですよ。ルールは詳細には知りませんが、盤のマス数、駒数が多いだけに、現行のものよりは、かなり複雑にできていたようですなー。

現在、大将棋を指せる棋士がどれほどおられるのかも存じませんが、以前、大山康晴名人が、大将棋を指しておられるカットがテレビで放映されたのを記憶しています。

 

さて、ですね。大将棋より遥かに複雑なのが、現社会ですよ。活動している駒数が多いですしね。行動の範囲も、とてつもなく広いですよ。

この現社会を動かす大きな役割を果たすべく存在にあるのが、言わずと知れた国会議員さん、国家公務員さん達ですよ。

あんたら何やってんの 。

まったく頼んないんだから。

王将も、飛車角も、金銀も、歩兵にいたる迄、もー、頼んないですなー。すっかり、箍が外れてしまっているようで。

特に、代議士先生。藤井聡太棋士を、羽生善治棋士らを見習って、局面を熟慮して、次ぎの一手を対策して下さいよ。

羽生さん、藤井さんほか、棋士の方々は、たかだかと言っては何ですが、9マス四方の盤上の世界で、どれほどの手を読むとお思いですか。このように指したら、ゆくゆくどうなるかを、何十手、何百手を読み、最善手を見つけ出して、それを決行するのですよ。

言っちゃーなんですが、代議士さん。国会議員の国の字は、お飾りですか。

あなた等の次ぎの一手は、次ぎの選挙対策の一手ばかり読んでいるのでは御座いませんか。

上級官僚を目指す方々、内閣人事局の顔色ばかり伺い、総理に対する忖度ばかり、気配りしているのでは御座いませんか。国家公務員の本分は、どこへ行ってしまったのですか ? ? ?

何も小生如きが、偉そうなことを言うことでは御座いません。それは、重々存じております。しかし、現状を見て、ぼやかずに居られないのですよ。

 

国会議員王将さん、国家公務員の大駒のみなさん、どうしますか ?

佐川さんの証人喚問が行われるよう決定されましたが、そろそろ、投了の覚悟が必要になって来たのでは ?

それとも、王将を取られるまで、足掻(あが)くお積もりで御座いましょうか。

佐川さんの証人喚問で、質問に立たれる代議士の皆さん、必至をかけるに至りますか ?

うまく行って、ツミまで読み切る事態に追い込めますか ?

それとも、一気に、王手をかけることができますか ?

 

エッ、千日手で、指し直しですか ?

 

詰めが甘いんだから。なんとか、投了に追い込んで下さいよ。

 

  

段々、血圧が上昇して来ますので、本日は、この辺りで投了と致します。

どうもお付合い下さいまして、有り難う存じました。

お疲れさまで御座いました。

 

お後がよろしいようで。