《停念堂閑記》30

「停念堂寄席」30

 

「ボーダラ(棒鱈)の女房」 (2018-02-21)

 

本日も、ヒマ潰し処「停念堂閑記」に、ようこそお出で下さいました。

厚く御礼申し上げます。

本当に、よくいらっしゃいました。大歓迎で御座いますよ。

おヒマなお方、心より、大歓迎で御座いますから。

今日も、退屈なヒマ潰しに、どうぞお付合い下さいませ。

話は、毎度の代わり映えのしない、アホくさい、バカバカしい、クダラないの三拍子を兼ね備えた、行き当たりバッタリのアホくさい、バカバカしい、クダラない話で御座います。

なんで、アホくさい、バカバカしい、クダラない話をするのか、と言われますと、そんなこと決まってるではないですか。

立派な、意義深い話は、難しくて出来ないからですよ。

私だってですね、たまには、気の利いた話をしたいもの、とは思わなくはないのですよ。

しかしですね、これが中々困難なのですよ。

人には、生まれながらにして、得手・不得手が御座いますからね。

気の利いた話は、元来不得手なのですよ。中々出来ないのです。

出来ないことは、結論的に、出来ないのですよ。

出来ない事は、出来ない。だからやらないの。判り易い論理でしょう。

一方、アホくさい、バカバカしい、クダラない話の方は、どちらかと申しますとね、少しばかり、得意なのですよ。性格的に性に合ってる、と言うのですかね。とは申せ大したことは無いのですが。

ものごと、出来映えだけを問題にしてはいけませんよ。大事なのは、それに取り組む姿勢ですからね。

アホくさい、バカバカしい、クダラない話が目標。大した姿勢だわ。ホンマ。

とにかく、ヒマ潰しが、そもそもの主たる目的で御座いますから、この路線から外れないように、極力配慮して、参らなければならないのですよ。

ところで、今日は、ヒマ潰しにスリバチとスリコギを使いませんよ。スリバチとスリコギは、今日はお休みです。たまには、休息を与えないと、ブラックだとか言われますからね。

今日は、久しぶりに与太郎さんと、ご隠居に登場して貰うことにします。

それでは、久しぶりにまいりましょう。

まったく 実に たあいもない話ですよ。

 

与:「ご隠居 ご隠居 留守かい」

隠:「これは これは 与太郎さん 久しぶりですねー お元気でしたか?」

与:「それが ご隠居 お元気どころでは無かったんですだよ」

隠:「と言うことは えらいことに なっていたのでは ないでしょうね」

与:「実は、どえらいことに なってただよ この寒さで 完全に 冷凍物にな

  っちまってさ」

隠:「冷凍物にですかー」

与:「今日は 少し気温が上がったので 縁側の日向にころがって ようやく少  

  し解凍してきたところですだ それでも 脇の下あたりは まだ 幾分凍

  ってるだよ」

隠:「脇の下は まだ 凍ってるんですって」

与:「冗談 冗談 全部解凍ずみですだ 仕上げに チンで全解凍しただよ」

隠:「チン したのですか」

与:「冗談 冗談 だってば オラの家には 人が入れるほど大きい チンはね  

  ーだよ」

隠:「与太郎さん 大きいチンがあったら入るつもりですか」

与:「そりゃー 大きいのがあれば 使いますだよ」

隠:「まさか 大ごとになりますよ」

与:「政府だって 停止していた原発、次々と使い始めたではねーだか あるも

  の使わねーと 大損だと思っているだよ 後のことは 考えてねーだべけ

  んど 

  それはともかく ご隠居は この寒さ どうでしただ」

隠:「実は 私の方も 大変な目に逢っていたのですよ」

与:「それは てーへんでごぜーやしただな」

隠:「それだけですか どうしました と来ないのですか」

与:「やっぱり 来て欲しいだか?」

隠:「そりゃー 久しぶりにお会いしたのですから お互い どうだったのか  

  気になるではないですか」

与:「なるほど わかりやした それが常識ってもんだな」

隠:「まー 常識といいますかね 普通はそーでしょー」

与:「こー見えて オラは普通の常識人だからよ 人の道に外れたことはしねー  

  主義だよ」

隠:「それでは ちょっとはずれた普通の常識人の主義でお願い致しますよ」

与:「ご隠居 なんか言っただか」

隠:「いやいや 気になさらないで どうぞ どうぞ」

与:「それでは ご隠居 いくだど 覚悟はできてるだか」

隠:「出来てます 出来てます キッチリ出来てますよ」

与:「ご隠居 一体全体 どーしたんですだ 救急車呼んだだか」

隠:「いえいえ 救急車を呼ぶほどのことでは 御座いませんよ」

与:「救急車じゃないとすると 消防車か」

隠:「いえいえ 火事ではありませんから」

与:「そいじゃー パトカーかな」

隠:「そんな 事件を起こした分けでは 御座いませんよ」

与:「救急車でも消防車でもパトカーでもないとすると 除雪車かな」

隠:「私の家だけ、除雪車が出動するほど雪が降るわけないでしょ」

与:「とすれば 戦車か」

隠:「与太郎さん 戦車呼んで どうしょうと言うのです 車はなんら関係ござ

  いません」

与:「車関係でないとすると 戦闘機か」

隠:「与太郎さん 狭い庭に 戦闘機は着陸できませんよ」

与:「戦闘機もダメ だとすると 潜水艦か」

隠:「なんで 私の家に 戦車や戦闘機潜水艦が攻めてくると言うのですか

  私のところでは 弾道ミサイルなど 造っていませんから」

与:「ご隠居 降参ですだ もうオラの常識を超えてるだよ」

隠:「大丈夫ですか 与太郎さん オツムの方の解凍がまだのようですよ」

与:「ご隠居 また なんか言っただか」

隠:「いやいや 気のせいでしょー 気のせい」

与:「ご隠居 冗談はこれっくれーにして さっさと先へ行きましょーぜ」

隠:「ちょっと 調子に乗ってしまいましたねー

  実は 与太郎さんが冷凍物で来たものだから それに対抗して ボーダラ 

  で行こうと とっさに ひらめいたのですよ」

与:「さすがは ご隠居 体形そっくりの ボーダラで 来ようとしただか

  しかし ボーダラは 北海道など北国の冬では お馴染みだが、温かい地

  方では あまり馴染みがねーのでは」

隠:「与太郎さん 体形にそっくりは余分でしょ」

与:「聞こえちゃった?

  いやいや 乾涸びたところは ご隠居にピッタンコですだよ

  それで ボーダラで オラにどう対抗しようとしただ」

隠:「この寒さで 与太郎さんは 冷凍物になったのでしょ だから 冷凍物の 

  上を行こうと思ったのですよ ボーダラは 北海道流に言えば 一度シバ

  レれさせて コチコチになった冷凍タラを シバレたまま 日にちをかけ

  てカラカラに天日干しして 造るでしょう」

与:「さすがは ご隠居 よくごご存知で

  そーですだよ 真鱈の内蔵を取って、よく洗ったものを シバレさすだよ

  それを 軒下にでもぶら下げて 寒風に吹き曝すだよ そしたら コチコ 

  チに乾燥するだよ 良い保存食になるだよ これは 道産子の常識だよ」

隠:「与太郎さん こそ よくご存知で これだと話がはやくていいですね」

与:「と言うことは ご隠居は この寒さで 一度冷凍物になって そのまま天

  日干しになった と言うだか」

隠:「それくらいでないと 与太郎さんを上回れませんからね」

与:「と言うことは 金槌が必要だな ボーダラは やたら堅いだよ だから漬 

  物石を台にしたりして 金槌でトントン叩いて ほぐして まー珍味風と

  して食べることになるだなー ちょっと やってみるべか」

隠:「よして下さいよ 金槌でトントンなんて」

与:「トントンは嫌だか そいじゃー 3日4日うるかして もどしてから 甘塩

  っぱく煮付けた方がいいだか」

隠:「3日4日うるかすんですか」

与:「北海道では 水に浸すことを うるかすと言うだよ 水分を含んだ状態を  

  うるけたと言うだよ 長風呂をすると 手の指の渦巻きの部分が 水分を 

  含んで ちょっとたるむだよ あれがうるけた状態だよ 豆も1日ほどう 

  るかしてから煮ると やっこい煮豆ができるだよ

  ボーダラの甘露煮は 京都料理でも知られているだが 会津名物で有名で

  すだよ

  どーでー ご隠居 オラ常識が豊富だべ」

隠:「食べ物についての常識は 実に 豊富で結講なことですが 与太郎さん 

  あなた 私を金槌で叩きほぐすか うるかして煮付ける気ですか」

与:「せっかく ボーダラになったのだから その方が良くねーだか

  どっちにします 好きな方でいいですだよ」

隠:「あなた 冗談ではないですよ ホント」

与:「冗談 冗談 冗談 ですだよ ご隠居は 叩きほぐしても うるかしても 

  食える代物ではねーだから 骨っぽくて」

隠:「そこまで言いますか 与太郎さん」

与:「そうムキにならねーで下せーよ ご隠居 冗談だってば」

隠:「しばらく お会いしない間に 与太郎さん えらく厳しくなっちゃったん 

  ではないですか」

与:「なにせ 久しぶりなもんだ オラ ちょっと悪のり過ぎちゃっただよ

  ご隠居 気にしねーで 今年も どうぞよろしくお願いしますだよ」

隠:「ところで 与太郎さん 何かご用事なのでは御座いませんか」

与:「そー そーですだ ボーダラに気を奪われて それをコロット忘れるとこ

  ろだっただよ」

隠:「与太郎さん 相談ごとを忘れてしまうほど そんなにボーダラが好物なの

  ですか」

与:「好きですだよ オラ 幼少の砌から ボーダラ食いの与太郎と 異名をと

  ってただよ 金槌でトントンやらせたら オラの左に出るヤツはいなかっ

  ただよ」

隠:「左ですかー 右ではないのですか 常識では」

与:「どっこい ご隠居 オラ左利きなもんで だから左でOKなのですだ オ

  ラの常識ですだ」

隠:「そー 来ましたか しかし トントンしたボーダラを食べると すぐに歯

  の隙間にはさまりませんか」

与:「そーですだ ボーダラは味に文句はねーだが 歯の隙間につまるのがなん 

  ともねー だから ご隠居は止した方がいいですだよ 大体 共食いは良

  くネーだよ」

隠:「なにか おっしゃいましたか 与太郎さん もー 油断がならないのだか

  ら」

与:「冷凍物になって 干物になっても 耳はいいだな ご隠居

隠:「耳は 別に保管していましたので 御陰で 大丈夫だったのです」

与:「ご隠居も なかなか頑張るだな これでじゃー 当分大丈夫だな」

隠:「また なにか おっしゃいましたか」

与:「いやいや 暫く顔を見ていなかったので 実は 心配してただよ

  この調子だと まだまた でーじょうぶのようで 安心しましただよ」

隠:「それは それは どーも それで ご用事はなんですか」

与:「それですだよ 実は 少々教えてもれーてーことがあるだよ」

隠:「そーですか それでは また 冷凍物になってはいけませんから お上が 

  り下さい お茶でもしながら 窺いましょう

  オバーさん 与太郎さんですよ お茶をお願いしますよ」

与:「そいじゃー お邪魔しますだ ご隠居の家は 実に 暖かですだ

  なんちゅったって セントラルヒーティング 床暖だものな 

  その上に ガスストーブとエアコン コタツまで設備して

  これじゃー ご隠居 外で散歩して 冷えきって戻った時 皆んな一斉に 

  スイッチを入れれば 乾燥して たちまち ボーダラになっちまうだよ」

隠:「ボーダラは もういいですよ

  そんな一斉にスイッチを入れたりしませんから 部屋がおおむね暖まれば

  コタツでテレビドラマの録画を見る これが極楽と言うものですよ」

与:「ボーダラの叩いたのをツマミに 爪楊枝で時々 シーハー シーハーした

  りして お茶で流し込んだりして それで 極楽 極楽ですだか」

隠:「それは 与太郎さんでしょう ボーダラはもう結講です」

婆:「アーラ 与太郎さん お久しぶりですわねー

  お変わりなく お元気そーで ますます快調ですわねー

  コーヒーをどうぞ よろしければ 風月堂のクッキーもどうぞ 

  アラ 与太郎さんは ボーダラの方が 良かったかしら

  漬物石と金槌をお持ちしましょーか」

隠:「おバアーさんまで ボーダラをむしかえさないで下さいよ まったく」

与:「これはこれは 奥様 お久しぶりですだ お元気そうでなによりですだ

  それにしても 相変わらず お若くて お奇麗で まるで深キョンちゃん

  のお姉さんのようですだ 

  以前は 咲ちゃんのお姉さん風だったけんど しばらくお会いしない間に  

  すっかり 深キョンちゃんのお姉さん風に 大変身ですだ」

婆:「まー 与太郎さんたら 相変わらず おジョーズで 嬉しくなっちゃうわ」

隠:「ちょっと とょっと 私はボーダラで おバーさんは 深キョンちゃんの 

  お姉さん風ですか あまりと言えば あまりでは御座いませんか」

婆:「おジイさん そんなひがんではいけませんよ

  与太郎さんが 正直なこと おジイさんが 一番ご存知でしょー」

隠:「おバーさん あなた あんまり調子づかないで下さいよ」

婆:「それでは 与太郎さん どうぞごゆっくり

  そーだ 与太郎さん 必要な時は 一声かけて下さいね

  すぐ お持ちしますから 漬物石と金槌」

与:「承知しましただ 深キョンちゃんのお姉さん風の奥様」

隠:「ちょつと もー いい加減にして下さい ちゅーの まったく」

与:「早速 頂きますだ 結構な お手前のコーヒーで どなたが入れてくれた

  のかなー」

隠:「どなたがって おバーさんに決まってるでしょー」

与:「あー あの深キョンちゃんのお姉さん風の奥様がお入れになっただ

  どーりで 旨さが格別ですだ」

隠:「あのね 与太郎さん いいかげん ほどほどにして下さいよ

  おバーさんに 聞こえよがしに」

与:「はー 深キョンちゃんのお姉さん風の奥様も 耳がいい

  やっぱり 別に 保管してただか」

隠:「まったく つまんないことは 良く記憶してますねー

  ところで ご用件の方は どう致します」

与:「そーですだ そーだすで オラ食い物と美人の話になると 外のことはぜ

  ーんぶ どこかへ飛んで行っちまうだよ

  ご隠居も 深キョンちゃんのお姉さん風の奥様と一緒では 外のことは 

  せーんぶ どこかへ 行きっぱなしですだか」

隠:「そんなことは どーでもいいでしょー

  本題 本題 本題を言って下さい」

与:「ホンダイ ホンダイって ご隠居 本屋さんへでも出掛けるだか」

隠:「また 恍けてないで 早く 本題をおっしゃって 下さい」

与:「1000円くれーだよ オラの買う本は それでは ポチポチ 参りますか」

隠:「ポチポチって 本屋さんには出掛けませんよ」

与:「それでは ご隠居 どちらへ」

隠:「どちらへも 参りませんよ 早く おっしゃって下さい」

与:「ご隠居 それでは いきますよ」

隠:「与太郎さん どちらへ行くのですか」

与:「ご隠居 オラは 本屋さんへは 行かねーだよ」

隠:「与太郎さん これでは切りがありませんよ」

与:「そーですだな それでは 本は買わねーだが 本題へといきますべか

  それが この間 オラの仲間とちょっと 常識と言うものについて ディ 

  スカッションすべーか と言うことになっただよ」

隠:「お仲間といいますと?」

与:「オラを筆頭に 八と熊と権太とヒロシの合計5人だよ」

隠:「与太郎さんを筆頭に 何時もの5人組ですか」

与:「そーですだ 5人で 常識について ディスカッションやることにすべー

  とね 話がまとまっただよ」

隠:「例の5人組で 5人組とは 最も遠い存在の常識について ディスカッショ

  ンをなさる

  ちょっと 恐怖を感じますなー」

与:「ご隠居 なんとおっしゃられましただ 

  なにもシンペーは いらねーだよ

  いざとなると 熊と権太は頼りになるだよ あれで中々つえーですだよ  

  熊はパクーっと噛み付いたり 権太はゴーンとぶん殴ったり 手慣れたも 

  んですだ 八もいざという時は プシュッと刺すだよ 

  八と熊と権太がおれば こえー者なしですだ 怖がることは何もねーだよ

  ただし ヒロシはあまりあてにならねーだよ チビまる子ちゃんのお父さ

  んも クレヨンシンちゃんのパパも ヒロシと言うだよ 両方とも頼りネ

  ーだよ」

隠:「いえいえ そちらの恐怖ではなくてですね この世にあってはならなよう 

  な想定外のことが 密かに進行しているような 一種の不気味感とでも言

  いますか はたまた 革命的と申しますか 実に とんでもない事態が出 

  来(しゅったい)しつつある と言いますか その 私の常識では とても

  とても及ばない状況に突入しようとしているのではないか と言うような

  衝撃がですね」

与:「ちょっと ちょっと ご隠居 色々と並べてくれるではねーの この世の

  終りが来たような」

隠:「さすがは 与太郎さん 的を得てますね もはや世も末 終末だーと言う

  感じですよ」

与:「ご隠居 調子に乗って そんなこと言うと 深キョンちゃんのお姉さん風

  の奥様に 一声かけて 例の物を持って来てもらいますだよ」

隠:「与太郎さん 脅迫はいけませんよ 脅迫は」

与:「ご隠居が ややっこしいこと言うからですだ オラの5人組が 常識につ

  いてディスカッションすることは そんなに てーへんなことですだか」

隠:「そりゃー 並の不気味さでは御座いませんよ」

与:「深キョンちゃんのお姉さん風の奥様  例の物」

隠:「判りました 判りましたから それはよしなさいって」

与:「それじゃー ご隠居も加えて 6人組 セクテットといきゃしょー これ

  では どーですだ」

隠:「えーっ 私も組みするのですか」

与:「ご隠居 嫌なのですけー それならば 深キョンちゃんのお姉さん風の奥

  様 例の物」

隠:「判りました 判りましたよ 6人組に加わりますから まったく」

与:「それでは オラ ちょっくら 招集をかけるだよ」

隠:「これから 直にですか」

与:「なーに 直に 連絡つきますから 心配いらねーだよ 

  スマホ スマホでメールをちょちょいと」

熊:「ご隠居 留守かい」

八:「ご隠居 留守かい」

権:「ご隠居 留守かい」

ヒ:「ご隠居 留守かい」

隠:「ヒェー もう来たのですか 早いですねー しかも 輪唱で」

熊:八:権:ヒ:「ご無沙汰 ご無沙汰 ご無沙汰 ご無沙汰してますだー

      お元気で お元気で お元気で お元気で ごぜーやすか」

隠:「四重奏できましたか それでは こっちだって

  いらっしゃい いらっしゃい いらっしゃい いらっしゃい ませー」

与:「ご隠居は 1人で四重奏は無理ですだよ」

隠:「イヤー 皆さんお揃いで サー どうぞお上がり下さいませ」

熊:八:権:ヒ:「お邪魔します お邪魔します お邪魔します お邪魔します」

隠:「どーぞ どーぞ どーぞ どーぞ」

与:「ご隠居 1人四重奏はもーいーだよ」

隠:「おバーさん 熊さん 八さん 権太さん ヒロシさんが お見えですよ

  お茶をお願いしますよ」

婆:「熊さん 八さん 権太さん ヒロシさん ようこそ コーヒーをどうぞ」

隠:「おバーさんも 超早いですねー」

熊:「これは これは 石原さとみちゃんのお姉さん風の奥様」

八:「これは これは 新垣結衣ちゃんのお姉さん風の奥様」

権:「これは これは 綾瀬はるかちゃんのお姉さん風の奥様」

ヒ:「これは これは 上戸彩ちゃんのお姉さん風の奥様」

熊:八:権:ヒ:「お世話を 御掛け致しますだ」

隠:「ちょっと ちょっと 深きょんちゃんのお姉さん風ではなかったのですか」

与:「いやいや それぞれ みんな好みが違うんですだよ」

婆:「いいのですよ いいのですよ 私は ちっとも 構いませんから

  大歓迎 大歓迎 大歓迎 大歓迎 ですわー」

与:「ヒェー 奥様も 1人カルテット ですだか」

隠:「一体 どれが本命なのですか」

婆:「ある時は 深きょんちゃんのお姉さん風

  ある時は 石原さとみちゃんのお姉さん風

  ある時は 新垣結衣ちゃんのお姉さん風

  ある時は 綾瀬はるかちゃんのお姉さん風

  はたまた ある時は 上戸彩ちゃんのお姉さん風」

与:「して そのじってーは」

婆:「ボーダラの女房で御座いますよ オホホホホホ」

 

お疲れさまでございました

お後がよろしいようで

 

※「棒鱈」と言う落語があるようです。まだ、聞いたことが御座いませんが。

「棒鱈」は、いじり易い性質を持っているようですね。