《停念堂閑記》24

「停念堂寄席」24

 

土竜」 (2017-03-09)

 

本日も、ようこそお越し下さいまして、厚く御礼申し上げます。

いきなり、私事で恐縮で御座いますが、一年中、大抵はヒマなのですよ。日比憐休(ひび れんきゅう)と言うくらいですから。一年中、毎日、毎日、ずーっと連休状態。

すでに、大分以前になりますが、3月いっぱいで、勤め先を定年退職いたしまして、まず、実感したのがですね。テレビで煽りに煽っているゴールデン・ウィークがですね、何の意味も無くなったことですね。

勤めていた時は、連休が待ちどうしかったりもしましたが。

今度は、待たずして、毎日、毎日、連休、連休、連休・・・、一年中連休。

いまさら、多くて1週間くらいの連休で、喜んでらんないですよ。

1年、365日、ずーっと連休。ゴールデン・イヤー。

勤務なし。もー、こっちのものですなー。嬉しいのなんのって。

朝早く起きなくてよい。 

もっとも、勤めている時も、4時、5時には、目が覚めていましたがね。

目覚ましいらず。

なぜか、若い頃から、あまり睡眠をとらなくてよい質だったのですよ。

通常、4~5時間も眠れば、大体KOの人なのですよ。

ですから、朝は、4時、5時というと、だいたい目が覚めるのですよ。

一度目覚めると、寝付けないタイプなのですよ。

今も、自然人。日の出と共に、起床。

早起きしても、特に、しなければならない事は、何も御座いません。

寝てても、仕様が無いから起きちゃうのです。

早朝の散歩、ジョギングなどは、一切、致しませんよ。そんな、草臥れること。

散歩したり、ジョギングしたりして、軽く草臥れるのが快感なのですかね。

私は、そんなことしないで、草臥れないでいる方が、快感です。

勤務先におられたお医者さんは、毎日、階段を使って、昇り降りした方が、健康に良いと勧めてくれましたね。勤務先の私の部屋は、5階にあったのですよ。

ところが、1年に1回、人間ドックに行っていたのですが、ドックのお医者さんが、実に、悟りの境地に入られていたようなお方でしたね。

あのようなお方を、達人と言うのでしょうね。

勤務先のお医者さんとも顔見知りのお方でしたね。

ドックの結果説明の面談の時に、勤務先のお医者さんに、階段を使うように、勧められています。と話したところ、あー、□□先生ね。

そんなこと、あまり気にしなくても、良いですよ。

無理に階段を昇り降りすると、かえって、足腰に負担がかかるから、身体によけいな負担をかけるより、今の状態を上手に、維持することを考えた方が良いですよ。エレベータがあるなら、それを利用した方が、良いですよ。

蹴つまずいて、階段を転げ落ちでもしたら、そっちの方が、よほど大変だから、エレベータを使った方が安全ですよ。

タバコを吸わない。アルコールもあまりやられない。

これは、困ったことですなー。

体調を崩した患者さんには、当分、タバコアルコールを止めさるだけで、かなり体調が回復するのですよ。

貴方には、その手がつかえませんなー。

適度に、やった方がいいですよ。

だって。

なんと、素晴らしい、見立てではございませんか。

しっかりお教えに従った生活をしていますよ。無理は禁物。

定年後、人間ドックも停止。

病院へは、歯医者さんを除いては、ほとんどかかっておりません。

だから、病名は持っておりません。薬も特に使用しておりません。従って、病人ではないのですよ。

病院へいくと、たちまち、病人にされてしまいますよ。きっと。

歯医者さんへは、たまらず駆け込みますけど。こればかりは、我慢に限度が御座います。痛いのは嫌ですから、直に、出かけます。

同じ年齢の連中は、大抵、通院してます。

通院している人は、連休ではございませんよ。

仕事のために、勤務しているわけでもないのに。

年に一度は、入院している方もおりますよ。なかなか手慣れている御様子です。

病院へ行っている連中は、みんな病名持ち。病人です。

薬もあれこれと、嗜んでおられますなー。

国家予算上、医療費は多大にのぼっている様です。

ささやかながら、お国のために、協力しております。

てなわけで、いまのところ通院もせず、連休続きで、ヒマな訳です。

と言うわけで、「停念堂閑記」と相なる分けでございます。

とはいえ、一人だけでは、詰まりませんので、ここに、いらした方を道連れにしようという魂胆で御座います。

「停念堂閑記」は、アホクサイ、バカバカしい、クダラナイの3拍子を中心に据え、ヒマツブシをモットーとしております。

賛同のお方は、どうぞお付合い下さいませ。

 

今日は「土竜」を取り上げてみたい、と思います。

最初に、お断りしておきますが、思いっきり、ためになる話ですからね。

覚悟をお願い致しますよ。

できるだけ、短編にしたいと、思っております。

 

土竜」は、モグラです。普通は、モグラか鼹鼠が一般的かと思っていましたが、今日のワープロさんは、いきなり「土竜」を出してきましたね。

今迄、特に、モグラに関心をもった事も無かったので、「土竜」は、なんと初対面です。何だか、カッコいい文字面ですな。偉そうですよ。

蛇の上を行ってそうな雰囲気ですなー。

しかし、世の中、いろいろ変なのがおりますが、土竜って、思いっきり変なヤツですよね。

土の中で生活しているのですよ。

どっちを見ても、土ばっかりなのですよ。

見通しが悪いでしょうね。

 

鳥は、空を飛ぶ事ができ、木の枝に止まる事もでき、また、地べたを歩く事もでき、中には、水中に潜れるのもいるのですよ。陸、空、水全部生活圏になっているのですよ。

ツバメなんぞ、ビルの中に巣を作っているのですよ。

家賃タダ。食費も、虫を食べているから、ただ。

猿の仲間は、鳥のようには、空を飛ぶ事は出来ませんが、枝から枝へと、結講、跳び移れますな。地べたも歩けますよ。水の中にはいるヤツもいますし、温泉に浸かってるヤツもいますよ。行動範囲がかなり広いですなー。

比べて、土竜。殆ど地中。変なヤツでんなー。

たまに、地上に出ることもあるとのことですよ。

中には、オッチョコチョイなのがいて、方向を間違えちゃうのですかね。

仲間同士でケンカして、図らずも地上に逃げ出す場合もあるとか。

ジャイアン土竜がいて、スネ夫土竜は、たまらず、地上に逃れちゃった、と言うことらしいですよ。

しかし、地上に頭を出そうものなら、いきなり、ハンマーで叩かれちゃうのですよ。土竜タタキ。

不用意に、地上に出て来た場合は、死んじゃうこともあるようですなー。

土竜にとっては、地上は、あの世と言うことになるのですかねー。

境目に、三途の川は、ないみたいですなー。

でも、泳げるそうですよ。間違えて、と言うか、むやみに進んで行っている内に、水溜りに出くわしちゃった、と言うべきなのですかね。

どうなんですかね。視力は退化してしまって、目は殆ど見えないらしいですね。

漫画で、眼鏡をかけたモグラをよく見ますが、どんな眼鏡なのですかね。

近視か、遠視か、乱視かね。

否、きっとサングラスだね。あれは。

地上に顔を出した時、光が眩しいから。

でも、目は見えないらしいから、意味無いでしょうね。

さしずめ。伊達眼鏡と言うところでしょうか。

しかし、地中では、周囲を見回す、遠くを見渡す、なんてことは、ないわけだなー。大体、暗いだろうから、物を見る習慣がないのだろうな。

かわいそう、と言えば、かわいそうなヤツでんな。

スカッと晴れわたった、富士山を見る事が出来ないのですよ。

殆ど、生涯、物を見る事がないのですよ。

武井咲ちゃんを見る事も出来ないのですよ。不幸な存在でんなー。

とにかく、土の中を、ひたすら泳いでいるようなものですなー。

ヤッパリ、平泳ぎかね。

ジャイアンに追っかけられた時には、クロールになるのかね。

バタフライの時に、図らずも、地上に飛び出しちゃうのかもね。

地中の昆虫やミミズを食べているのだって。

12時間ほども、胃の中がカラになると、餓死しちゃうらしいですよ。

うっかり寝過ぎちゃったりしたら、即、永眠ですよ。

死んじゃったら、自動的に土葬ですな。

トンネルを掘っておいて、そこに、昆虫やミミズが入り込むことがあって、それを食べているらしいとか。

何だか、ウサギ待ち待ち木のネッコ的手法でんな。

メスは、年に数匹の子を生むらしいですよ。

だいたい、どうやって、相方を捜すのでしょうかね。

もー、手当たり次第に、出会うまで、土の中を泳ぎまくるのでしょうかね。

運良く出くわしても、相手の顔、姿は見えないのですよ。

お互いに、カワイーか、イケメンか、確認できないのですよ。

地下で、デートするのかね。

交通手段は、絶対、地下鉄だね。地下鉄しかないね。

銀座とか歌舞伎町は、あるのかね。

きっと、ネオンは点いてないね。真っ暗闇だね。

何をしようと、他の土竜に見られる心配は、ないだろうけど。

子が生まれても、お互い親子の顔も知らない、と言うことだね。

なんとも、頼りないですなー。

何考えて、生きているのですかねー。

とにかく、変わったヤツでんなー。

土竜に生まれなくて、よかったよ。ホンマ。

変わっていると言えば、ミミズも変わってますな。

これも地中生活ですな。

やっばり、目で物を見る習慣はないらしいですな。

土竜より、不幸ですかね。土竜に、食べられちゃうからね。

ミミズは、土竜を食べることは、できないだろうから、一方的に、食べられちゃう存在ですな。

ミミズは、土に含まれている栄養分を摂取するのですよね。動物・植物を食べるわけではないだろうから、動物に食べられてしまうだけの存在ですな。

なんの弾みか知りませんが、地上に出て来ることがありますよね。

たちまち、小鳥の餌食になってますよ。実に、かわいそうな存在ですなー。

いったい、何を楽しみに生きているのでしょうかね。

セミも地下生活が長いようですなー。種類によっては、数年から10数年も、地下で生活しているものもいるようですよ。

セミの幼虫の時は、土竜に食べられてしまうことがあるとか。

土竜のいるところは、要注意らしいですよ。

セミは、地下生活している時は、目が見えるのでしょうかね。

しかし、地下は、暗いからねー。見え難いし、周囲は土ばっかだから、見えても仕様が無いようだし。どうなのですかね。

しかし、幼虫は、羽化する時、木登りしたりしますが、あの時点では、目がみえるのでしょうな。

羽化して、飛び上がって、風景を上から見た時は、感動でしょうなー。

地下穴暮らしの時とは、それは、それは、大違いですよ。

それで、直に、新しい環境になれてしまうのだから、大したものですなー。

大きな音をたてて、鳴きたくなる気持ちが、分かりますなー。

田舎から、東京に出て来て、環境になれる迄は、中々、大変だったですよ。

セミは、保育園にも、小学校へも、中学校へも行かず、地上に現れて、数時間でもう一丁前なのですよ。

もっとも、地下の学校へは、長年、行っていたね。夜間学校のような感じだったろうね。

 

地下生活をしている連中も、夜間学校へ通っているのですかね。

ちゃんと入試を受けず、裏口から入るヤツもいたのでしょかね。

そんなヤツは、きっと、モグリですよ。

水面下ならず、地面下の暗いところで、闇取り引きするのでしょうね。

これは、コンニャクのネッコだ、なんて言って、ミミズ3匹渡したりしてね。

ちょっと、人間社会と似たところもあるようですなー。

 

こんな辺りが、引きどころでしょうか。

相も変わらぬバカバカしい、クダラナイ話で、恐縮で御座います。

なにせ、狙いがヒマつぶしですから、どうか、ご海容のほどをお願い申し上げます。

お疲れさまでございました。

またのお越しをお待ち申し上げます。

 

お後がよろしいようで。