《停念堂閑記》102

「停念堂寄席」59

  

「アポ電 アホ電 ?」

 

本日も、「停念堂閑記」に、ようこそお越し下さいました。

厚く御礼申し上げます。

遠路はるばるかどうかは、存じませんが、本当に、よくいらっしゃいましたね。

遠路はるばるとは申せ、よもや「停念堂閑記」に徒歩でやって来られる御方はいないでしょうな。そんな御方がいらっしゃいましたら、是非是非お会いしたいもので御座いますが。

とにかく、徒歩で来ようが、泳いで来ようが、はたまた車でも、電車でも、新幹線でも、飛行機でも、ロケットでも、何であろうと構いませんが、要するに、いらして頂ければ、大歓迎で御座いますよ。

もっとも、ロケットと来られますとね、駐ロケット場など持ち合わせが御座いませんので、一つご勘弁のほどを。せいぜい、自転車ででも、お願いできれば、幸甚で御座います。

とは言え、大歓迎と申しましても、高価な美味しい料理でおもてなしをするわけでも、温泉に入って頂いて、とりあえず冷えたビールをグイーッとやって頂くわけでも、肩をお揉みするわけでも、お好みのスイーツをお楽しみ頂くわけでも、御座いません。

ついでに、お友達と連れ立って、ゴルフにご招待する訳でも御座いません。

粗茶の一杯すら出ませんよ。ポイントだって付きませんから。

このような点は、まー、一言で申しますと、ケチですわ。いや、ドがついて、ドケチと言うべきですなー。

しかし、公金や裏金を使って、どうのこうのと言う事情は、一切御座いませんので、この点は公明正大で御座いますので、どうぞご安心下さいませ。

 

強いて、幾分カッコ付けて申し上げますと、心の問題とでも言いましょうかね。

おヒマなお方、心を込めて、大歓迎で御座います、と言う次第なのですよ。

まだ明けやらずの暗い内から、パッチリと目が覚めまして、サー今日一日、どのように過ごすか。と言う難題のもとに日々をお過ごしの方々も多くいらっしゃられるのではないでしょうか。これをしなければ、と言う特別なすべき事も無く、何処へ顔を出しても、歓迎されるわけでもなく、しかし、なんとか今日一日を過ごさなくてはならない、と言う御事情の方、このような方々を心より大歓迎するのが、「停念堂閑記」なのですよ。

 

話は、毎度の代わり映えのしない、アホくさい、バカバカしい、クダラないと言う三拍子を兼ね備えた、行き当たりバッタリのアホくさい、バカバカしい、クダラない話で御座います。深刻にならないところが、取り得ですよ。

夜、眠れなくなったりしませんからね。

もー、すぐに忘れちゃっても、なんら問題は御座いませんよ。

 

なんちゅったって、目的がヒマ潰しですからね。

お互いに、持て余しているヒマを、適当に、好い加減に、なんとか、あの手、この手で潰さなくては、ダメなのですよ。大して関係のない余計なことを交えたりしましてね。

しかしですね。これは、これで、ケッコウ手間隙かかるのですよ。

手間隙かからなかったら、ヒマ潰しにならないだろうって、ですか。

至極、ご尤もなご意見で御座います。同感、同感で御座いますよ。

張り切って、手間隙を惜しまず、たっぷり手間隙をかけて、連日のヒマと言う強敵に挑むことに致しましょう。

打倒、ヒマ!

A A O!  エイエイ、オー!

ヒマ潰しとは、申せ、些か次元の低い、掛け声ですなー。

 

 

さて、本日の話は、これ迄に無い、誰もが、一度もお目にかかったことのないような飛びっきりスゴイ話ですよ。どこがスゴイのかちゅーと、どこをどう切っても、阿呆クサイ、トロクサイ、鈍クサイ、けちクサイ、辛気クサイ、キナクサイ、陰気クサイ、素人クサイ、これだけ並べればどれかにひっかかるであろうクサさがプンプンの金太郎飴で、もう、どこをどう切っても、クサイ、クサイ話なのですよ。吸い込んだら最後、脳ミソがグズグズになってしまいますからね。お気をつけ下さいませ。予め,消臭剤のご用意を怠り無く。マスクも。

なんて、言う程の事はまったく御座いません。平凡極まりないムダ話で御座います。

歯を全部抜いて、総入れ歯にしたハナシのような話ばっかりですから。

 

では、参ります。

 

最近、テレビなどで、アポ電強盗の話題が頻りですな。予め、お金の有無を電話で確かめておいてから、押し込み強盗に入ると言う、はなはだ荒っぽい方法が増えているそうで。怪しげな電話には、注意を怠ってはいけませんな。

対策が必要ですよ。

電話には、直ぐに出ない方が良いようですよ。

留守電にしておいて、一息おいてから、大丈夫なのが確認された場合にだけ出るようにした方が良いようですよ。

もっとも、大丈夫かどうかの確認自体がね、そもそも問題なのですが。

留守電の待受け音声は、「ただ今、留守にしております。御用の方は、ピーと言う音の後に、用件をお話し下さい。・・・ピー。」と言ったようなものが、一般的のようですが、これからは、「ただ今、我が家には、金銭は一切御座いません。どうぞ他をお当たり下さい。」てな、待受けに切り替えた方が良さそうですなー。

もっとも、お金が余っていて、処分にお困りの方は、「ただ今、3000万円までなら本日中に、すぐにご用意できます。ピーと言う音の後に、住所・氏名・振り込み口座番号をお願い致します。直に、お振り込み致します。・・・ピー。」と言う、待受け音声にしておくと、スムーズに事を運ぶことができるでしょうね。まさかね。

それとも、もうダイレクトにね「はい、アポ電強盗さんですか。すぐに警察に連絡しますので、しばらくこのままでお待ち下さい。」と言う待受けにしましょうか。電話して、いきなりこの待受けが聞こえて来たら、たいていはビックリするでしょうね。

以前知合いのお父上樣は、間違い電話と分かると、「はい、こちらは火葬場です。何日、何時の予約希望ですか ?」とやるそうで、そしたら、間違いなくガチャンと切られる、と言う話を聞いたことが御座いますよ。縁起でもありませんからね。

これは、私の実例ですが、以前、電話を設置したばかりで、電話帳に登録もしておらず、うちの奥さんしか番号を知らないと言う期間があったのですよ。そこに、電話がかって来たのですよ。奥さんからとばかり思って出たところ、知らない男の声だったのですよ。

何かを売りつけようとする営業の話でしたが、様子がおかしかったので、貴方はどちらさんに電話しているのですか? と聞いたところ、「それは言えない。」だって。

そこで、追い打ちをかけて、この電話番号をどこで知ったのか? と尋ねたところ「それも言えない。」だって。

なんとも、間抜けな応対でしたね。

局番から、営業担当の地域に、手当たり次第に電話していたような様子でしたね。局番は地域で大体見当がつくので、後の4桁を好い加減に、適当に押していたようで、今はもう使っていませんが、後の4桁が、ひとつずつ増える連番だったので、1234なんて、順番に押していったのでしょうね。そしたら、たまたま私のところにヒットしたのでしょう。だから、何処の誰に繋がったのか、判らない状況だったのでは、と想像したのですが。

こちらは、名前や住所等、個人情報を一切告げてませんので、当然、強盗にはやって参りませんでしたよ。

蛇足ながら、私はかかって来た電話をとる時には、「はい、××です。」とは名乗ら無い事にしています。向こう樣が、何かを言う迄、無言でいます。なんと無愛想な失敬なヤツだと、思うでしょうね。しかし、何か用事があって掛けて来るのでしょうから、大抵は、△△ですと、名乗ってくれますよ。そしたら、普通に応対しますよ。怪しげなのには、絶対にこちらの個人情報は伝えません。

お墓、墓地の売り込み電話が、よく来ますね。既に、先祖代々からのがあるから、不要だと伝えると、それでも、もう一つどうです。なんて来るのですよ。

幾つも墓を持って、どうしょうと言うのです。墓のアパート業でもやんなくちゃー、元が取れませんよ。

見晴らしが良く、海が一望できる、絶景の墓地ですよ。なんてね。

いくら絶景でも、わたしゃーもう死んじゃってるので、見る事できませんからねー、と丁重にお断りすることにしています。

 

これは、電話ではなく、ハガキが来ました。

先日、「あなたは、未納の××消費税に関して、訴えられている。××月××日が訴えの取下げ期限となっている。直に、対処するように。××消費税課 訴訟係 電話××番」と言うような内容のハガキが舞い込んだのですよ。

こりゃー、一大事とばかり、早速電話を致しましたところ、訴訟の取り下げ費用・弁護士経費などとして、456,789円必要と言うことが判明しました。

いきなり、こんな金額を要求されても、手元に無かったものですから、それでは、と言うことで、息子に電話して、「オレ、オレだよ。大至急50万円、オレの口座に振り込んでくれ。」と頼み込みましたところ、「阿呆こけ。このクソ忙しい時に、そんなヒマ潰しにつき合ってらんねー。」の一言で、電話切られちゃったのですよ。男の子はツメテーね。

50万円、儲け損なっちゃったよ。

因に、これは、オレオレ詐欺ではないですよ。約50万円必要だと言われたのも、手元にそんな金が無かったのも、本当のことだよ。それなのに、息子に全然相手にされなかった。ひょとして、小遣い稼ぎができるかもと、期待したのに。電話1本で、金儲けするのは、中々難しいもんだね。

息子がダメならと、こんどは娘だと思って、娘に電話したのですよ。50万円は厳しいだろうと配慮して、30万円に割引してやったところ、やっぱり娘は優しいね。30万円すぐに振り込むと言ってくれましたよ。

ここ迄は、うまくいったと思ったのですよ。

ところが、娘が言うには、家にも、××消費税の未納訴訟の件で、70万円の請求が来ている。20万円は、自力で用意できたので、残りの50万円を娘の口座に振り込んで欲しい。と言うのですよ。

娘の方が一枚上手でしたね。差し引き20万円の差額を儲けようと企んでいたのですよ。油断も隙もありませんよ。あぶなくひっかかるところでしたよ。

そんなこんなしているところに、今度は親しくしている友達から電話が来たのですよ。××消費税未納の訴訟の件で、80万円必要となった。10万円は用意できたので、残りの70万を俺の口座に振り込んでくれ、だって。

ふざけんじゃないよ。どいつもこいつも、××消費税の未納訴訟の件、他人の褌で、相撲をとろうとしやがって。まったく、油断も隙もあったもんじゃねーよ。まいったね。ホント。他人の事言ってらんないけれど。

こんな××クサイ話で、少しはヒマ潰しになりましたでしょうか。

要は、アポ電話強盗、オレオレ振込には、気をつけましょう。

 

今日は、ちょっと用事ができて、そっちの方で、ヒマ潰しができる様になりましたので、いささか中途半端では御座いますが、この辺で失礼致します。

では、またのお越しを。

 

お後がよろしいようで